R6年 水質概論 問2 問題と解説

 問 題     

水質汚濁防止法第3条に規定する排水基準に関する記述中、ア~エの(  )の中に挿入すべき語句の組合せとして、正しいものはどれか。

1 排水基準は、排出水の汚染状態(( ア )によるものを含む。以下同じ。)について、環境省令で定める。

2 (略)

3 ( イ )は、当該( イ )の区域に属する公共用水域のうちに、その自然的、社会的条件から判断して、第1項の排水基準によっては人の健康を保護し、又は生活環境を保全することが十分でないと認められる区域があるときは、その区域に排出される排出水の汚染状態について、政令で定める基準に従い、( ウ )で、同項の排水基準にかえて適用すべき同項の排水基準で定める( エ )よりきびしい( エ )を定める排水基準を定めることができる。

  •  ア    イ    ウ    エ
  1. 熱   都道府県  規則  規制基準
  2. 油   市町村   規則  許容限度
  3. 電気  都道府県  規則  規制基準
  4. 熱   都道府県  条例  許容限度
  5. 電気  市町村   条例  規制基準

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

( ア )には「熱」が入りますが、これは珍しい出題です。これをスルーしても比較的わかりやすい( イ )と( ウ )を正しく答えられれば正解できるため、以下の解説を読んでもピンとこなければ、あまり気にしなくていいと思います。

水質汚濁防止法では「排出水の汚染状態(熱によるものを含む。)」という表現が出てきますが、この「熱による」とは、排出水の温度が高くなることで水生生物や水質に悪影響を与えることを指します。

つまり、排出される水の温度(熱)も汚染の一種とみなされるので、( ア )には「熱」を入れるのが適切です。

ちなみに、選択肢には「油」もありますが、これはわざわざ「含む」と強調しなくても当然に含まると考えてください。油については「ノルマルヘキサン抽出物質含有量」などの項目として水質基準が設けられています。

( イ )~( エ )を含む文章では、国の定めた排水基準よりも厳しい基準を設けることができるという規定について書かれています。

特定事業場から公共用水域に排出される水については、全国一律の排水基準が設定されています。しかし、この基準を守るだけでは環境基準を達成することが困難な水域においては、都道府県の条例によって上乗せ基準(上乗せ排水基準)を設定することができます。

よって、( イ )には「都道府県」が、( ウ )には「条例」が入ります。

( エ )はいわゆる上乗せ基準(上乗せ排水基準)のことですが、条文では「許容限度」という文言が使われています。

選択肢にある「規制基準」でも文章として成り立ちそうですが、今回のような条文の穴埋め問題においては、意味が通るかどうかだけでなく、条文に載っている文言をその通りに答えなくてはいけません。

よって、( エ )には「許容限度」が入れるのが適切です。

以上から、

  • ア:熱
  • イ:都道府県
  • ウ:条例
  • エ:許容限度

となるので、正解は(4)です。

 

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