R6年 水質概論 問6 問題と解説

 問 題     

下図は、令和3年の海洋汚染原因別にみた油による汚染確認件数(排出源が判明しているものに限る)である。汚染原因として、A~Cに該当するものはどれか(海上保安庁:海上保安レポート2022による)。

  •  A       B      C
  1. 破損     船舶海難   取扱不注意
  2. 船舶海難   破損     取扱不注意
  3. 船舶海難   取扱不注意  破損
  4. 取扱不注意  船舶海難   破損
  5. 取扱不注意  破損     船舶海難

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

海洋汚染の原因の1位は油、2位は廃棄物、3位が有害液体物質…という出題はたまにありますが、今回は1位の油による汚染の詳細な原因が問われています。

出題テーマとしてはかなり珍しいですが、内容的には難易度の低い問題なので、見慣れない設問でも安易に捨て問題と判断せず、考えることでなるべく得点につなげてほしいと思います。

油汚染の主な原因には次の3つが挙げられます。

  • 取扱不注意:油を扱う際の人為的なミスや不注意によって、油が海に漏れ出すケースです。油の移送や取り扱い時に起こることがあります。
  • 破損:設備や容器の破損によって油が漏れ出すケースです。これには、タンカーの事故や設備の劣化などが含まれます。
  • 船舶海難:海上での事故や衝突によって、船舶から油が漏れ出すケースです。これが原因で大規模な海洋汚染が発生することがあります。

上記のうち、最も頻繁に起こるのは「取扱不注意」です。件数としては多いですが、漏れ出す油の量は少なく、汚染の影響も小さいです。

一方で、「船舶海難」は滅多に起こるものではないですが、起こったときには大規模な汚染となる場合があります。

残る「破損」は、頻度・規模の両面で「取扱不注意」と「船舶海難」の間に位置します。

よって、

  • A:取扱不注意
  • B:破損
  • C:船舶海難

となるので、正解は(5)です。

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