問 題
全りんの検定に関する記述中、下線を付した箇所のうち、誤っているものはどれか。
試料はペルオキソ二硫酸カリウム分解法で分解し、あるいは、分解されにくい有機りん化合物や多量の有機物を含む試料の場合には、(1)硝酸－過塩素酸分解法又は(2)硝酸－硫酸分解法を適用して、生成した(3)オルトりん酸イオンを(4)モリブデン青吸光光度法で(5)波長220nmの吸光度を測定する。
解 説
全りんの測定で最も主要なものは、ペルオキソ二硫酸カリウム分解法です。今回もこれが出題されています。
ペルオキソ二硫酸カリウム分解法では、試料にペルオキソ二硫酸カリウムを加え、高圧蒸気滅菌器中で120℃、30分間加熱して有機物などを分解します。そして、生成したオルトりん酸イオンをモリブデン青吸光光度法で波長880nmの吸光度を測定し、これをりんの濃度で表します。
上記の説明文のうち、試薬としてペルオキソ二硫酸カリウムを使う点や、高圧蒸気滅菌器(オートクレーブ)中で120℃、30分間加熱という条件、測定方法がモリブデン青吸光光度法である点などは、どれも重要事項としてぜひ押さえておきたい知識です。
以上と問題文を見比べると、(3)、(4)が正しく、(5)が誤っていることがわかります。全りんの測定(ペルオキソ二硫酸カリウム分解法)で使う波長は、「220nm」ではなく「880nm」となります。
ちなみに、220nmは問23で出てきた紫外線吸光光度法で全窒素を測定するときに使う波長です。
なお、(1)と(2)はそこまで重要な知識ではありませんが、いずれも正しいです。ペルオキソ二硫酸カリウム分解法だと分解されにくいような試料を扱う場合には、より有機物を分解しやすい硝酸－過塩素酸分解法や硝酸－硫酸分解法を適用します。
よって、正解は(5)となります。
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