R6年 水質有害物質特論 問13 問題と解説

 問 題     

ほう素及びその化合物の検定に用いられるメチレンブルー吸光光度法に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. ほう素化合物に硫酸とふっ化水素酸を加えて、テトラフルオロほう酸イオンにする。
  2. メチレンブルーとの反応によって生成するイオン会合体を1,2-ジクロロエタンに抽出する。
  3. 試料に含まれる陰イオン界面活性剤は、ふっ化水素酸を加える前にメチレンブルーを加え、1,2-ジクロロエタンに抽出し除去しておく。
  4. 試料に懸濁物が含まれる場合には、ろ過又は遠心分離によって除去する。
  5. 試験に用いる水は、ほうけい酸ガラス製の蒸留器を用いて精製する。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

ほう素化合物の検定にメチレンブルー吸光光度法が定められているというのは重要事項ですが、本問は、そのメチレンブルー吸光光度法の具体的な操作方法に関する出題です。

このような出題は珍しいのですが、この設問は決して捨て問題ではありません。本問の各選択肢の正誤を正確に判断できる受験者の方は少ないかもしれませんが、正解である選択肢(5)の内容が基本的なものなので、得点するだけなら簡単な問題だといえます。

(5)に関して、ほうけい酸ガラスには、名前の通りほう素とけい素が含まれています。

ほう素を測定する際にほう素を含む器具を使うと、ガラスの一部が溶け出すなどして測定値に誤差を与える可能性があります。そのため、ほうけい酸ガラス製の蒸留器を使うことは不適切です(もちろん大きな誤差ではありませんが、微量分析においてはそのような細かいことに気を遣う必要があります)。

この場合、石英ガラス製やポリプロピレン製など、ほう素を含まない器具を使うのが正しいです。

以上から、正解は(5)となります。

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