問 題
サイクロンに関する記述として、誤っているものはどれか。
- 軸流サイクロンでは旋回流を起こさせる案内羽根(ベーン)部が最も摩耗する。
- 渦芯での旋回運動を半自由渦という。
- 圧力損失は入口ガス流速の2乗に比例する。
- ダスト濃度が増加するほど、圧力損失が減少する傾向がある。
- 一般に、入口ガス流速は7~20m/sの範囲にとられる。
正解 (2)
解 説
本問は決して難易度が高いというわけではありませんが、出題頻度から見ると珍しい部類です。知識問題のため知らないと正解することが難しいので、あまり馴染みがない場合には捨て問題扱いにしてしまっても構わないと思います。
(1)は正しいです。軸流サイクロンでは、ガスが軸方向に入り、案内羽根(ベーン)によって旋回流が発生します。ダストを含むガスが直接案内羽根(ベーン)に衝突するため、ここが最も摩耗します。
(2)が誤りです。サイクロン内の旋回流は、一般的に渦芯に近い内側が強制渦、渦芯から遠い外側が自由渦の特性を持ちます。また、その間が半自由渦です。
よって、(2)では渦芯での話をしているので、「半自由渦」が誤りで、正しくは「強制渦」となります。
(3)と(4)はともに正しいです。圧力損失は入口ガス流速の2乗に比例します。
一方で、ダスト濃度が増加するほど圧力損失は減少します。ダスト濃度と圧力損失の関係は式から説明できるわけではなく、実験的にそのような事実がわかっているだけで、そのメカニズムは今のところ解明されていません。
(5)も正しいです。入口ガス流速は、遅すぎると遠心力が不足し、速すぎると圧力損失が大きくなってしまいます。その兼ね合いで、7~20m/sの範囲がちょうど良いといわれています。
以上から、正解は(2)となります。
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