H23年 水質概論 問10 問題と解説

水域が過度に富栄養化した場合に、生物に及ぼし得る影響として、誤っているものはどれか。

  1. 植物プランクトンにより、えらの詰まりが生じ、魚類が斃死する。
  2. 水生植物群落の減少により、産卵場と避難場所が減少し、魚類の生産性が低下する。
  3. 植物プランクトンの現存量が減少する。
  4. 動物プランクトンの種類と現存量が減少する。
  5. 底生生物の種類と現存量が減少する。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

水域が過度に富栄養化したものが、いわゆる赤潮と呼ばれるものです。これは植物プランクトンが増えすぎたために水面が赤く見える状態なので、選択肢(3)の記述は反対です。そして、植物プランクトンの増殖により選択肢(1)のような魚類の斃死が起こります。

また、栄養分の増加により一時的には動物プランクトンも増えますが、夜間は植物プランクトンが光合成をしないので、密集している動物プランクトンは酸素欠乏状態となり、その数はすぐに激減します。これが選択肢(4)です。

一時的に異常増殖した動物プランクトンが死滅して水底に沈むと、これが腐って(有機物が酸化的分解をして)、水底の酸素を消費します。すると、水面だけでなく水底も酸欠状態になるため、選択肢(2)や(5)のような状況になってしまいます。

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