水域における窒素の循環に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 窒素の最も酸化された形態は、硝酸性窒素である。
- 硝酸性窒素は、最終的な電子供与体として使われることがある。
- 硝酸性窒素は、電子受容体として用いられると、亜硝酸性窒素へと還元される。
- アンモニア性窒素は、好気的な環境でニトロソモナスなどの細菌により、亜硝酸性窒素へと酸化される。
- 好気的な環境では、亜硝酸性窒素はニトロバクターなどの細菌により、硝酸性窒素へと酸化される。
正解 (2)
解 説
(1)、(4)、(5)に記載があるように、アンモニア性窒素を酸化させると亜硝酸性窒素となり、これをさらに酸化させると硝酸性窒素となります。硝酸性窒素が窒素の最も酸化された形態となります。よって、(1)、(4)、(5)はいずれも正しいです。
(2)と(3)では電子供与体・という言葉がありますが、これらが酸化・還元とどう結びつくかを整理しておくことが重要です。
電子受容体は、負電荷を持つ電子(e–)を受け取って、その分、負電荷を持つ酸素(O2-)を相手に与えることで相手を酸化させると考えてください。これにより、電子受容体自身は還元することになります。このような物質を酸化剤と呼ぶこともあります。
反対に、電子供与体は、負電荷を持つ電子(e–)を与える分、負電荷を持つ酸素(O2-)を相手から受け取るので、相手を還元させ、自身は酸化することになります。このような物質を還元剤と呼ぶこともあります。
以上から、硝酸性窒素は、これ以上酸化しない一方で還元はできる物質なので、これは電子受容体となります。還元したときの形態の変化は、(5)の反対で「硝酸性窒素 → 亜硝酸性窒素」となります。
よって、(3)が正しく、(2)が誤りであると判断することができます。
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