R5年 大規模大気特論 問9 問題と解説

 問 題     

ごみ焼却設備のNOx対策に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 無触媒脱硝法は、脱硝剤を焼却炉内の高温ゾーンに噴霧してNOxを選択還元する方法である。
  2. 触媒脱硝法は、無触媒脱硝法と同じNOx除去原理であるが、触媒を使用して低温領域で脱硝する方法である。
  3. 活性コークス法は、NOxを活性コークスで吸着除去する方法である。
  4. 脱硝バグフィルター法は、ろ布に脱硝機能を持たせ、排ガス中に注入したNH3とフィルター中の触媒でNOxを除去する方法である。
  5. 燃焼制御によるNOxの発生量の低減は、主として炉内における自己脱硝作用によるものである。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

ごみ焼却設備のNOx対策の出題は珍しいため、やや難易度の高い出題といえます。悪問・奇問というわけではないので、余裕があれば押さえておきたい知識ですが、ご自身の学習状況や理解度によっては後回しにしても構わないと思います。

ごみ焼却設備のNOx対策には、選択肢にある(1)~(5)のようなものが挙げられます。それぞれの特徴は次の通りです。

  • 無触媒脱硝法:脱硝剤を焼却炉内の高温ゾーンに噴霧してNOxを選択還元する方法
  • 触媒脱硝法:無触媒脱硝法と同様の方法を、触媒を使用して低温領域で行う方法
  • 活性コークス法:NOxとNH3の脱硝反応の触媒として活性コークスを用いる方法
  • 脱硝バグフィルター法:ろ布に脱硝機能を持たせ、排ガス中に注入したNH3とフィルター中の触媒でNOxを除去する方法
  • 低酸素法:燃焼制御法の一種で、炉内を低酸素状態にして自己脱硝反応を実現する方法

ここで選択肢(3)を確認すると、「活性コークス法は、NOxを活性コークスで吸着除去する方法」とありますが、活性炭コークスは触媒の役割を果たしていて、NOxを物理的に吸着させるわけではありません。

よって、正解は(3)となります。

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