問 題
窒素酸化物(NOx)の発生源と発生量に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 化石燃料の高温燃焼に伴って発生する主要な窒素酸化物は、一酸化窒素(NO)と二酸化窒素(NO2)であり、一般に両者を併せてNOxと呼ばれている。
- NOxはカドミウム、鉛、ふっ素などとともに有害物質の一つに指定されている。
- 環境基準はNO2について定められている。
- ボイラーなどの燃焼装置では、燃焼ガスの排出時点でのNO/NO2は体積比でおよそ80%である。
- 業種別のNOx排出量(平成29年度実績)は、電気業 > 窯業・土石製品製造業 > 鉄鋼業の順になっている。
正解 (4)
解 説
(1)は正しいです。NOxはあらゆる窒素酸化物の総称ですが、大気汚染物質として問題となるのはほぼ一酸化窒素(NO)と二酸化窒素(NO2)なので、これら2つを併せてNOxと呼ぶことが多いです。
(2)も正しいです。有害物質として定められているのは、以下の5物質です。
- カドミウム及びその化合物
- 塩素及び塩化水素
- ふっ素、ふっ化水素及びふっ化珪素
- 鉛及びその化合物
- 窒素酸化物
(3)も正しいです。環境基準はNOxではなくNO2について定められています。蛇足ですが、硫黄のほうも同様に、SOxではなくSO2について環境基準が設定されています。
(4)が誤りです。燃焼装置の燃焼ガスに含まれるNOxは、そのほとんど(9割以上)が排出時点ではNOの形をしています。その後、大気中のオゾンなどと反応してNO2になる上、NO2のほうが毒性が高いので、環境基準としては(3)の通りNO2で設定されています。
よって、(4)の「およそ80%」が誤りで、正しくは「90%以上」などのようになります。
(5)は正しいです。前問(問8)の解説にも示しましたが、業種別のNOx排出量の上位3位は次の通りです。
- 電気業:32%
- 窯業・土石製品製造業:15%
- 鉄鋼業:12%
以上から、正解は(4)となります。
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