JISによる排ガス中の塩素分析方法に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 2,2′-アジノ-ビス(3-エチルベンゾチアゾリン-6-スルホン酸)吸光光度法(ABTS法)では、塩素は酸性下でABTSと反応して、緑色に発色する。
- 4-ピリジンカルボン酸-ピラゾロン吸光光度法(PCP法)では、塩素はクロラミンTとして捕集した後、最終的にPCP溶液により青色に発色する。
- ABTS法、PCP法ともに酸化性ガスや還元性ガスが共存すると影響を受けるが、後者はNO2に妨害されない特徴がある。
- 発がん性の疑いのある試薬を使用するオルトトリジン吸光光度法は、JISの本体から附属書へ移された。
- イオンクロマトグラフ法では、試料ガス中の塩素を過酸化水素水に吸収させて、塩化物イオンとして測定する。
正解 (5)
解 説
排ガス中の塩素分析方法の一つであるイオンクロマトグラフ法は、次のような手順で測定を行います。
- 塩素をp-トルエンスルホンアミドと反応させます(クロラミンTの生成)。
- これをシアン化カリウム(KCN)と水酸化カリウム(KOH)で処理するとシアン酸イオン(-OCN)が生成します。
- このシアン酸イオンをイオンクロマトグラフ法で測定します。なお、定量の際はクロマトグラム上のピーク面積(or高さ)から、塩素濃度を算出します。
よって、過酸化水素は使わず、塩化物イオンとしては測定しません。
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