R5年 汚水処理特論 問19 問題と解説

 問 題     

清澄ろ過装置及びその維持管理に関する記述として、不適切なものはどれか。

  1. 排水処理の分野でろ過装置が使用されるのは、放流水質の規制強化に伴う高度処理の必要性や再利用を目的とする場合などである。
  2. ろ過によって除去される浮遊物質は、凝集沈殿処理後のフロックや生物処理後の微生物フロックが主なものである。
  3. 高濃度の浮遊物質を含む排水をろ過すると、短時間でろ層が閉塞するため、凝集沈殿などの前処理により浮遊物質濃度を下げておく必要がある。
  4. ろ材が相互に固着して形成されるマッドボールは、ろ層の逆転や混合を引き起こし、ろ過機能に悪影響を与えるので、洗浄を十分にしてその形成を防止する必要がある。
  5. 洗浄に使用する洗浄水には、水道水を使用する。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

(1)は正しいです。ろ過装置は懸濁物質(SS)の除去のために用いられるもので、放流水質の規制強化に伴う高度処理(イオン交換法、逆浸透法など)が必要な場合、その前処理として清澄ろ過を行うことがあります。また、再利用を目的とする場合も、SSを取り除くために使われます。

(2)と(3)もともに正しいです。高濃度の浮遊物質を含む排水をろ過すると、短時間でろ層が閉塞するため、まずは凝集沈殿などの前処理により浮遊物質濃度を下げておき、それでも残ったフロックをろ過によって除去します。

(4)も正しいです。清澄ろ過装置では、過剰の高分子凝集剤の添加はマッドボール生成の原因となります。これが生成されると記述の通りろ過機能に悪影響を与えるので、洗浄を十分にしてその形成を防止する必要があります。

(5)が誤りです。洗浄に使用する洗浄水には「水道水」ではなく「ろ過処理水」が用いられます。このように、ろ過処理水でろ材を洗浄することを逆流洗浄(逆洗)といいます。

以上から、正解は(5)となります。

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