問 題
ガス吸収装置の種類とその長所に関する記述として、誤っているものはどれか。
- (種類) (長所)
- 気泡塔 構造が簡単で、液相物質移動容量係数が大きい。
- スプレー塔 ガスの圧力損失が小さい。
- ぬれ壁塔 発熱性のガスに適する。
- ベンチュリスクラバー 液ガス比が小さく、吸収効率が高い。
- サイクロンスクラバー 液を噴霧する動力が小さい。
正解 (5)
解 説
(1)は正しいです。気泡塔は構造が簡単で、液相物質移動容量係数が大きいのが長所です。短所としては、圧力損失が大きいことが挙げられます。
(2)も正しいです。スプレー塔はガスの圧力損失が小さいですが、偏流を生じやすいという特徴があります。
(3)も正しいです。ぬれ壁塔はガスの冷却が容易であり、発熱性のガスに適しています。
(4)も正しいです。ベンチュリスクラバーは液ガス比が小さく、吸収効率が高いです。液ガス比とは吸収液と被処理ガスとの流量比のことで、これが小さいと少しの液で多くのガスを処理できます。ちなみに、ベンチュリスクラバーはガスの圧力損失は大きいです。
(5)が誤りです。ややマイナーな知識ですが、サイクロンスクラバーは液を噴霧する動力が大きいという特徴があります。ただし、これを知らない場合でも、選択肢(1)~(4)がどれも比較的重要なので、消去法で(5)を選びたいところです。
なお、サイクロンスクラバーの特徴といえば、水によく溶けるガス(易溶性ガス)を吸収するのに向いていることと、サイクロン径が大きくなると効率が低下することです。これらは重要事項としてぜひ押さえておいてください。
以上から、正解は(5)となります。
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