R4年 ばいじん・粉じん特論 問5 問題と解説

 問 題     

電界中を移動する帯電粒子に働くクーロン力と、ガスの粘性抵抗力が釣り合うとき、粒子の移動速度が大きくなる条件として、誤っているものはどれか。

  1. 粒子の帯電量が大きくなる。
  2. 粒子径が大きくなる。
  3. 電界強度が大きくなる。
  4. カニンガムの補正係数が大きくなる。
  5. ガス粘度が小さくなる。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説    

電気集じん装置内で、クーロン力とガスの粘性力が釣り合う際の粒子の移動速度veを示す式は、以下のように表すことができます。

  • ve:粒子の移動速度
  • q:粒子の帯電量
  • E:電界強度
  • μ:ガスの粘度
  • dp:粒子径
  • Cm:カニンガムの補正係数

本問の類題は数年ごとに出題されるため、上式は重要事項として押さえておきたい公式です。しかし、上式を覚えていない場合でも、これは正解したい問題です。

というのも、粒子の帯電量qなどが一定であるとき、粒子径dpの小さい小粒の粒子のほうが遠くに飛ばされるイメージは想像しやすいと思います。そうであれば、粒子径dpが小さければ移動速度veは大きくなりますし、逆に、粒子径dpが大きければ移動速度veは小さくなるといえます。

よって、選択肢(2)のように粒子径dpが大きくなると移動速度veも大きくなるというのは、明らかに誤りであると判断することができます。

以上から、正解は(2)となります。

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