R4年 水質概論 問10 問題と解説

　問 題　　　　　

国又は地方公共団体の水質汚濁防止対策に関する記述として、誤っているものはどれか。

1. 公共用水域の水質汚濁に係る環境基準には、人の健康の保護に関する環境基準と生活環境の保全に関する環境基準がある。
2. 水質汚濁防止法(以下「水濁法」という。)により特定事業場から公共用水域に排出される水については、全国一律の排水基準が設定され、約半数の都道府県において上乗せ排水基準が設定されている。
3. 湖沼の水質保全のため、水濁法に基づき、COD、窒素含有量及びりん含有量などに係る排水規制が実施されている。
4. 公共用水域の環境基準を達成し維持するため、水濁法等による排水規制、下水道の整備、生活排水対策などの施策が講じられている。
5. 生活排水を処理するための施設として、下水道のほかに、浄化槽、農業集落排水施設、コミュニティ・プラント等の汚水処理施設の整備が進められている。

 

 

 

 

 

　解 説　　　　

(2)の前半部分は正しいですが、後半の記述が誤っています。

まず前半部分にある通り、特定事業場から公共用水域に排出される水については、全国一律の排水基準が設定されています。しかし、この基準を守るだけでは環境基準を達成することが困難な水域において、都道府県の条例によって上乗せ排水基準が設定されることになっています。

ここで、現状では全ての都道府県で上乗せ排水基準が設定されているため、(2)の「約半数の都道府県」が誤りであると判断できます。

よって、正解は(2)です。