R3年 大規模大気特論 問5 問題と解説

 問 題     

パスキルの安定度分類と拡散幅推定法に関する記述として、誤っているものはどれか。ただし、煙源から風下方向の距離をxとする。

  1. 地上風速と、日射量又は雲量の組合せにより、大気安定度の階級を判定する。
  2. 夜間は風速によらず、雲量が少ないときよりも、多いときのほうが相対的に強い安定となる。
  3. 安定度が決まると、水平及び鉛直拡散幅はxのみの関数として与えられる。
  4. 一定の位置xにおける水平及び鉛直拡散幅は、安定度が変わらない限り変化しない。
  5. 地上風速が6m/sを超える場合、日射量が強の日中以外は安定度D(中立)と判定される。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説    

(2)に関して、パスキルの安定度分類と気象条件の関係は次のようになります。これは重要事項なのでぜひ押さえておきたいですが、詳しい解説を確認したい場合はR1年 問4の解説を参照してください。

  • A:強不安定状態 (晴れ+日中+弱い風)
  • B:並不安定状態 (晴れ+日中+中くらいの風)
  • C:弱不安定状態 (晴れ+日中+強い風)
  • D:中立状態   (本曇 または 晴れ+夜間+強い風)
  • E:弱安定状態  (晴れ+夜間+中くらいの風)
  • F:並安定状態  (晴れ+夜間+弱い風)

上記より、曇り(=雲量が多いとき)の場合には無条件で安定度D(中立)になることがわかります。一方、夜間の晴れ(=雲量が少ないとき)では、風速によって、安定度D(中立)・E(弱安定)・F(並安定)となります。

よって、晴れの場合は曇りと比べて同等またはより強い安定となるので、(2)の「雲量が少ないときよりも、多いときのほうが相対的に強い安定となる」という記述は誤りです。

以上から、正解は(2)となります。

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