問 題
平成30年度大気汚染物質排出量総合調査(平成29年度実績)における排出量(重量単位)に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 硫黄酸化物の固定発生源からの総排出量は、約30万トンであった。
- 窒素酸化物の固定発生源からの総排出量は、硫黄酸化物総排出量の2倍弱であった。
- ばいじんの固定発生源からの総排出量は、硫黄酸化物総排出量の1割強であった。
- 施設種別では、硫黄酸化物、窒素酸化物及びばいじんのすべてについて、ボイラーからの排出量が最も多かった。
- 業種別では、硫黄酸化物、窒素酸化物及びばいじんのすべてについて電気業からの排出量が最も多く、鉄鋼業からの排出量はすべてについて第2位であった。
正解 (5)
解 説
この問題はかなり具体的な情報を把握していないと正解できないので、難易度の高い問題だといえます。よって、本問自体は捨て問題扱いでも仕方ないと思いますが、大気汚染物質の排出量に関する大まかな傾向は覚えておいたほうがよいので、以下の解説を参考にしてください。
(1)~(3)について、平成30年度大気汚染物質排出量総合調査によると、各物質の固定発生源からの総排出量は次のようになっています。
- 硫黄酸化物:約30万トン
- 窒素酸化物:約56万トン
- ばいじん :約3万トン
よって、(1)~(3)はいずれも正しいです。
具体的な数値はともかく、窒素酸化物は空気中の8割を占める窒素が原料となって生成することもあるので、硫黄酸化物よりも排出量が多くなります。また、ばいじんはほかの2つよりもずっと少ないです。
(4)も正しいです。施設種別では3物質ともにボイラーからの排出量が断トツに多いので、2位や3位は覚えなくてよいので、1位がボイラーであることだけ覚えておいてください。
(5)について、業種別は1位だけでなく、2位や3位まで問われることがあります。その内容は次の通りです。
【硫黄酸化物】
- 電気業:41%
- 鉄鋼業:17%
- 化学工業:7%
【窒素酸化物】
- 電気業:32%
- 窯業・土石製品製造業:15%
- 鉄鋼業:12%
【ばいじん】
- 電気業:15%
- 鉄鋼業:13%
- パルプ・紙・紙加工品製造業:10%
よって、3物質ともに1位は電気業ですが、窒素酸化物の2位が鉄鋼業ではないため、(5)の記述が誤りとなります。
しかし、上記は不動の順位ではなく、3年に一度の調査のたびに少しずつ変動が見られます。そのため、試験前には最新の情報を環境省の大気汚染物質排出量総合調査で確認してください。
以上から、正解は(5)です。
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