R3年 汚水処理特論 問24 問題と解説

 問 題     

全りんの測定に関する記述中、下線を付した箇所のうち、誤っているものはどれか。

試料にペルオキソ二硫酸カリウム溶液を加え、高圧蒸気滅菌器中で(1)120℃、30分間加熱酸化分解して種々の形態のりんを(2)りん酸イオンとする。

この分解法の代わりに(3)硝酸-過塩素酸分解法(4)硝酸-塩酸分解法を適用してもよい。

分解によって得られた(2)りん酸イオンは、(5)モリブデン青吸光光度法により定量する。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

全りんの測定で最も主要なものは、ペルオキソ二硫酸カリウム分解法です。今回もこれが出題されています。

ペルオキソ二硫酸カリウム分解法では、試料にペルオキソ二硫酸カリウムを加え、高圧蒸気滅菌器中で120℃、30分間加熱して有機物などを分解します。そして、生成したオルトりん酸イオンをモリブデン青吸光光度法で波長880nmの吸光度を測定し、これをりんの濃度で表します。

上記の説明文のうち、試薬としてペルオキソ二硫酸カリウムを使う点や、高圧蒸気滅菌器(オートクレーブ)中で120℃、30分間加熱という条件、測定方法がモリブデン青吸光光度法である点などは、どれも重要事項としてぜひ押さえておきたい知識です。

以上と問題文を見比べると、(1)、(2)、(5)が正しいことがわかります。残る(3)と(4)については判断できませんが、ここはマイナーな知識が必要なので、2択まで絞ったらあとは運任せでも仕方ないと思います。

ここでは一応解説をしておきますが、以下はあまり重要事項ではないので、参考程度に読んでください。

ペルオキソ二硫酸カリウム分解法だと分解されにくいような試料を扱う場合には、より有機物を分解しやすい硝酸-過塩素酸分解法や硝酸-硫酸分解法を適用します。

よって、(4)の「硝酸-塩酸分解法」が誤りで、正しくは「硝酸-硫酸分解法」です。

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