問 題
膜分離法に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 精密ろ過は微細な懸濁粒子や細菌などの除去に用いられる。
- 限外ろ過膜は、分子量1000~100万程度の水溶性の高分子物質や微細な懸濁粒子などの除去に用いられる。
- 電気透析法は溶解塩類の除去に用いられる。
- 電気透析法では、水溶性電解質でないコロイド質や有機物は除去できない。
- 海水淡水化などで用いられる多段式プロセスでは、前段逆浸透膜モジュールの膜透過水を後段逆浸透膜モジュールに通すことで、より多くの膜透過水が得られる。
正解 (5)
解 説
膜分離法では、逆浸透膜モジュールによって水を膜透過水と濃縮液に分けます。膜透過水は逆浸透膜を通った水なので、塩類などが含まれていない純水となります。一方、濃縮液は膜透過水以外の水なので、むしろ塩類が濃くなっている水です。
海水淡水化などで用いられる多段式プロセスでは、1段目の逆浸透膜モジュールで得られた膜透過水はそのまま淡水として扱い、濃縮液のほうを2段目の逆浸透膜モジュールに送ります。
そして2段目でも同様の処理を行うことで、1段目の濃縮液が2段目の膜透過水と2段目の濃縮液に分かれます。2段目の膜透過水も逆浸透膜を通過した水なので、1段目の膜透過水と同様、淡水として扱うことができます。
さらに2段目の濃縮液を後段に送り……と同様のことを繰り返すのが多段式プロセスです。こうすることで、各段で得られた膜透過水が淡水として使えるので、より多くの膜透過水を得ることが可能です。
よって、(5)の「前段逆浸透膜モジュールの膜透過水」が誤りで、後段に送るのは「前段逆浸透膜モジュールの濃縮液」が正しいです。
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