R3年 汚水処理特論 問1 問題と解説

 問 題     

水理学的滞留時間4時間、容積200m3、深さ4mの横流式沈殿池に流入する沈降速度が(ア)2cm/min、(イ)1cm/min、(ウ)0.2cm/minの3種類の粒子の除去率(%)の組合せとして、正しいものはどれか。

ただし、沈殿池内に乱れや短絡がなく、水の流れは平行であり、かつ沈降の過程で沈降速度が変わることがないものとする。

  •   ア    イ    ウ
  1. 100  100  90
  2. 100    90  18
  3. 100    60  12
  4.   90    45    9
  5.   60    30    6

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

(ア)、(イ)、(ウ)の3種類の粒子について沈降速度がわかっているので、水理学的滞留時間4時間(240min)の間に沈降する距離はそれぞれ次のようになります。

  • (ア):2 [cm/min] × 240 [min] =480 [cm] =4.8 [m]
  • (イ):1 [cm/min] × 240 [min] =240 [cm] =2.4 [m]
  • (ウ):0.2 [cm/min] × 240 [min] =48 [cm] =0.48 [m]

ここで、問題文より横流式沈殿池の深さは4mです。

(ア)の粒子は時間内に4.8m沈降するので、沈殿池のどの高さから流入してきたとしても、沈殿池を出る頃には全て沈んでいます。よって、粒子の除去率は100%となります。

(イ)の粒子は時間内に2.4m沈降するので、たとえば沈殿池の2mの高さから流入してきた粒子は沈みますが、3mの高さから流入してきた粒子は沈殿しきらず、除去できません。それを図示すると下図のようなイメージです。

よって、4m分のうち2.4m分までは沈殿除去できるので、(イ)の除去率は次のように計算できます。

(ウ)も(イ)と同様に考えて、0.48m以下から流入した粒子は沈み、それより高いところから流入した粒子は沈殿しません。よって、(ウ)の除去率は次のようになります。

以上から、正解は(3)です。

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