問 題
直流電流の測定範囲の拡大について、次の(a)及び(b)の問に答えよ。
(a) 直流電流計Ⅰの最大目盛は100A、直流電流計Ⅱの最大目盛は50A、直流電流計Ⅲの最大目盛は50Aである。
この3台の直流電流計を並列に接続し、ある回路に接続したところ、直流電流計Ⅰの指示値は90A、直流電流計Ⅱの指示値は40A、直流電流計Ⅲの指示値は35Aであった。
この接続において計測できる最大電流の値[A]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 100
- 144
- 165
- 183
- 200
(b) 次に、直流電流計Ⅰ、直流電流計Ⅱ、直流電流計Ⅲの3台を並列に接続した状態で、別の回路に接続した。この回路を流れる電流の値は150Aであった。
このとき、各電流計が指示した値は、直流電流計Ⅰ=( ア )A、直流電流計Ⅱ=( イ )A、直流電流計Ⅲ=( ウ )Aであった。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる最も近い数値の組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- (ア) (イ) (ウ)
- 31.8 36.4 81.8
- 31.8 81.8 36.4
- 36.4 31.8 81.8
- 81.8 31.8 36.4
- 81.8 36.4 31.8
解 説 (a)
設問(a)で与えられた条件を図示すると、下図のように描くことができます。
なお、上図では3つのルート合わせて165[A]の電流が流れているので、各電流計に流れる電流の割合はそれぞれ、90/165=54.5%、40/165=24.2%、35/165=21.2%となります。
ここで、現段階では最大電流を流したときに限界を迎えるのが電流計Ⅰ~Ⅲのどれかわかっていません。
仮に電流計Ⅰが限界であると仮定した場合、電流計Ⅰ(図のAⅠ)に100[A]が流れることになります。この100[A]が回路全体の54.5%に相当するため、このとき回路全体に流れる電流Itotal(1)[A]は次の(1)式のように計算できます。
同じく、電流計ⅡやⅢが限界である(50[A]流れる)と仮定した場合、回路全体に流れる電流Itotal(2)[A]、電流Itotal(3)[A]は、それぞれ次の(2)式、(3)式のように表すことができます。
以上より、この回路に流せるのは(1)~(3)式の中で最も値の小さい(1)式の183.5[A]であると判断することができます。
というのも、電流計Ⅰには(1)式の条件ですでに限界値の100[A]が流れるので、(2)式や(3)式を採用すると100[A]を超える電流が流れてしまうからです。
よって、選択肢の中で183.5[A]に最も近いものを選べばよいので、正解は(4)となります。
解 説 (b)
設問(a)の解説で示した図や文章の通り、電流計Ⅰ、Ⅱ、Ⅲに流れる電流の割合はそれぞれ、54.5%、24.2%、21.2%です。よって、全体の電流が150[A]であれば、各電流は次のように計算することができます。
以上から、正解は(5)となります。
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