電験三種 R6年度上期 理論 問14 問題と解説

 問 題     

電気計器に関する記述として、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. クランプメータは、電線に流れる電流による磁界をはかることで電流が測定できるため、磁界が打ち消し合うように電線1本のみをクランプする。
  2. 電子電圧計は、増幅器と可動コイル形計器を組み合わせたもので、内部抵抗が小さく、電圧の測定範囲が数μVから100V程度である。
  3. ホイートストンブリッジは抵抗を精密に測定できる。
  4. 接地抵抗計は、屋内配線や機器などの絶縁抵抗を測定する。
  5. 絶縁抵抗計は、接地電極と大地との間の抵抗を測定する。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

(1)は誤りです。クランプメータは、複数の導体を同時にクランプすると逆向きの電流が流れる導体同士で磁界が互いに打ち消し合うため、正確な測定ができなくなります。よって、正確な電流測定のためには、1本の導体をクランプする必要があります。

ここで、(1)では「磁界が打ち消し合うように電線1本のみをクランプする」とありますが、実際には上記の通り「磁界が打ち消し合わないように電線1本のみをクランプする」のような表現にするのが正しいです。

(2)は誤りです。電子電圧計は、入力インピーダンスが非常に高くなるよう設計されています。つまり、内部抵抗は「小さく」どころか「非常に大きく」しています。

そうでないと、電子電圧計側に大電流が流れてしまい、本来測定したいほうに流れる電流が変わり、測定誤差が大きくなってしまいます。

(3)は正しいです。ホイートストンブリッジは、未知の抵抗を、既知の抵抗とのバランスをとることで精密に測定できる回路としてよく利用されます。

(4)と(5)はともに誤りです。(4)と(5)は、用語と説明文の組合せが反対になっています。

つまり、接地抵抗計は接地電極と大地との間の抵抗を測定するものであり、絶縁抵抗計は屋内配線や機器などの絶縁抵抗を測定するものとなります。

以上から、正解は(3)です。

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