電験三種 R5年度上期 機械 問11 問題と解説

 問 題     

図に示すように、電動機が減速機と組み合わされて負荷を駆動している。このときの電動機の回転速度nmが1150min-1、トルクTmが100N・mであった。

減速機の減速比が8、効率が0.95のとき、負荷の回転速度nL[min-1]、軸トルクTL[N・m]及び軸入力PL[kW]の値として、最も近いものを組み合わせたのは次のうちどれか。

  • nL[min-1]  TL[N・m]  PL[kW]
  1.  136.6    11.9    11.4
  2.  143.8    760     11.4
  3.  9200     760     6992
  4.  143.8    11.9    11.4
  5.  9200     11.9    6992

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説    

問われているのは負荷の回転速度nL、軸トルクTL、軸入力PLなので、これらについて順番に考えていきます。

まず負荷の回転速度nLについて、電動機の回転速度nmが1150[min-1]であり、減速比が8であるため、負荷の回転速度nLは電動機の回転速度nmの1/8となります。よって、以下のように計算することができます。

よって、この時点で選択肢は(2)か(4)の2つに絞られます。

続いて軸トルクTLについて、理想的な減速機においては、減速した分だけトルクが増加します。つまり、減速機によって負荷の回転速度が1/αになれば、軸トルクはα倍になるということです。ただし、現実的には若干の損失が生じるため、軸トルクはα倍よりも少し低い値となります。

本問では減速比が8で、減速機の効率が0.95であるので、軸トルクTLは次のように計算することができます。

よって、この時点で残る選択肢は(2)だけになりましたが、念のため軸入力PLについても考えます。

軸入力PLは、(2)式で求めた軸トルクTLと、(1)式で求めた負荷の回転速度nLを使って以下のように算出することができます。

以上から、nL=143.8、TL=760、PL=11.4となるので、正解は(2)です。

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