電験三種 R4年度下期 理論 問9 問題と解説

 問 題     

図のようなRC交流回路がある。この回路に正弦波交流電圧E[V]を加えたとき、容量性リアクタンス6Ωのコンデンサの端子間電圧の大きさは12Vであった。

このとき、E[V]と図の破線で囲んだ回路で消費される電力P[W]の値の組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  • E[V]  P[W]
  1. 20   32
  2. 20   96
  3. 28   120
  4. 28   168
  5. 40   309

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説    

まずは、回路図の中央部分について考えます。最初に、6[Ω]のコンデンサの端子間電圧が12[V]だとわかっているので、そこを流れる電流の大きさを計算します。

次に、(1)式より、6[Ω]のコンデンサと8[Ω]の抵抗を流れる電流はともに2[A]となるので、次に示すようにこの2つの合成インピーダンスZ1[Ω]から、2つ合わせた端子間電圧を計算します。この端子間電圧が電源電圧E[V]に相当します。

また、消費される電力P[W]を計算する際には、有効電力となる抵抗側だけ考慮すればよく、無効電力であるコンデンサの分は考えません。よって、8[Ω]の抵抗で消費する電力P1[W]は、次のように計算できます。

続いて、回路図の右側について考えます。上記より3[Ω]のコンデンサと4[Ω]の抵抗を合わせた端子間電圧が20[V]だとわかっているので、ここを流れる電流の大きさは次のように計算できます。

よって、4[Ω]の抵抗で消費する電力P2[W]は、次の通りとなります。

(3)式と(5)式の結果から、回路全体で消費される電力P[W]の値は次のようになります。

(2)式と(6)式から、正解は(2)です。

コメント