電験三種 R4年度下期 電力 問13 問題と解説

 問 題     

低圧ネットワーク方式(レギュラーネットワーク方式ともいう)では、給電線である複数の特別高圧配電線路から、ネットワーク変圧器を経て、低圧配電線路に電力が供給される。

低圧ネットワーク方式に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. 一般的に、ネットワーク変圧器二次側に、保護装置としてネットワークプロテクタが設置されており、ネットワーク変圧器一次側の遮断器やヒューズを省略することができる。
  2. 低圧配電線路を格子状に接続したネットワークから、各需要家に供給する。
  3. 給電線のうちの一つに事故が発生すると、他の健全な給電線に供給系統を切り替える間、低圧配電線路が停電する。
  4. 樹枝状配電線路と比較して電圧変動や電力損失を小さくすることができる。
  5. 建設費が高くなるので、大都市のような需要家の多い地域で用いられる。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

低圧ネットワーク方式(レギュラーネットワーク方式)は、一つの変圧器の二次側から複数のフィーダを引き出し、断路器、ネットワーク変圧器を経て負荷へ電力を供給する配電方式です。

格子状の構造となっているため、どれか一つのフィーダが故障したとしても、ほかのフィーダから電気を賄うことができます。そのため、この方式は電力供給の信頼性が非常に高く、停電になることはほとんどありません。

しかし、建設費が高いので、負荷密度の高いところで使うくらいしか採算が合わず、採用例はそう多くありません。

以上を踏まえて選択肢を見ると、(3)の文章が誤っていることがわかります。

給電線のうちの一つに事故が発生した場合でも、低圧ネットワーク方式ではほかの健全な給電線から低圧配電線路に電力が供給されるため、停電は起こりません。

よって、正解は(3)となります。

なお、本問では珍しく低圧ネットワーク方式からの出題となりましたが、電験三種の試験ではスポットネットワーク方式のほうが頻出です。各種の配電方式の概要は配電方式(スポットネットワーク方式など)のページにまとめてあるので、併せて確認しておくことをお勧めします。

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