電験三種 R4年度上期 電力 問2 問題と解説

 問 題     

次の文章は、火力発電所のタービン発電機に関する記述である。

火力発電所のタービン発電機は、2極の回転界磁形三相( ア )発電機が広く用いられている。( イ )強度の関係から、回転子の構造は( ウ )で直径が( エ )。発電機の大容量化に伴い冷却方式も工夫され、大容量タービン発電機の場合には密封形( オ )冷却方式が使われている。

上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  •  ア   イ    ウ    エ   オ
  1. 同期  熱的   突極形  小さい  窒素
  2. 誘導  熱的   円筒形  大きい  水素
  3. 同期  機械的  円筒形  小さい  水素
  4. 誘導  機械的  突極形  大きい  窒素
  5. 同期  機械的  突極形  小さい  窒素

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

( ア )には「同期」または「誘導」が入りますが、火力発電所で使われるのは同期発電機です。火力発電所・原子力発電所・多くの水力発電所では同期発電機が使われ、小容量の水力発電所・風力発電所では誘導発電機が使われています。よって、( ア )には「同期」が入ります。

( イ )~( エ )に関して、蒸気タービンなどを原動機としたタービン発電機は、高速度で運転されるため、大きな遠心力に耐えるような機械的強度が必要です。

そのため、極数は少ない2極機(または4極機)が用いられ、回転子の直径を小さく、軸方向に長くした横軸形として作られます。この回転子の形状から、タービン発電機は円筒形同期機とも呼ばれます。

よって、( イ )は「機械的」、( ウ )は「円筒形」、( エ )は「小さい」となります。

( オ )について、タービン発電機の冷却方式は「水素冷却方式」です。冷却のために水素を使うのは、以下のようなメリットがあるためです。

  1. 水素は比重が小さく、回転子が回転するときの抵抗が少ない
  2. 水素は熱伝導率が高く、冷却効率が良い
  3. 水素は(空気や窒素と比べて)不活性ガスなので、内部構造を痛めにくい
  4. 全閉形なので、異物混入もなく、騒音対策にもなる

デメリットとしては、回転子軸から水素が漏れないように密封油装置が必要となることなどが挙げられます。

よって、( オ )は「水素」を入れるのが適切です。

以上から、( ア )は「同期」、( イ )は「機械的」、( ウ )は「円筒形」、( エ )は「小さい」、( オ )は「水素」となるので、正解は(3)となります。

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