電験三種 R3年 機械 問10 問題と解説

 問 題     

巻上機によって質量1000kgの物体を毎秒0.5mの一定速度で巻き上げているときの電動機出力の値[kW]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

ただし、機械効率は90%、ロープの質量及び加速に要する動力については考慮しないものとする。

  1. 0.6
  2. 4.4
  3. 4.9
  4. 5.5
  5. 6.0

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

巻上機が物体を引き上げるために必要な動力(仕事率)を計算し、機械効率を考慮して電動機出力を求めます。

質量 M [kg] の物体を重力加速度 g [m/s2] のもとで一定速度 v [m/s] で真上に巻き上げる場合、物体には重力と同じ大きさの力 F = Mg [N] が加わります。

このとき、 1 秒間に物体にする仕事(仕事率) P0 [W] は、力と速度の積として次のように表されます(位置エネルギー Mgh の高さ h を 1 秒あたりの移動距離である速度 v に置き換えたものと考えることもできます)。

\begin{aligned} P_0 &= Mgv\text{ [W]} \quad \cdots(1) \end{aligned}

また、巻上機には機械損失があり、機械効率が η(今回は 90% なので 0.90)であるため、電動機に必要な出力 P [W] は損失分を見込んで大きくなります。

つまり、電動機出力 P [W] は以下の(2)式のように P0 を機械効率 η で割った式で表すことができます。これは重要公式としてぜひ覚えておいてください。

\begin{aligned} P &= \frac{Mgv}{\eta}\text{ [W]} \quad \cdots(2) \end{aligned}

よって、問題文で与えられた数値を(2)式に代入すれば、求める答えが得られます。

\begin{aligned} P &= \frac{1000 \times 9.8 \times 0.5}{0.90} \\[12pt] &≒ 5444\text{ [W]} \\[12pt] &= 5.444\text{ [kW]} \quad \cdots(3) \end{aligned}

選択肢の中でこれに最も近い値は、(4)の 5.5 [kW] です。

以上から、正解は(4)となります。

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