電験三種 R3年 法規 問7 問題と解説

 問 題     

次の文章は、「電気設備技術基準」における、特殊場所における施設制限に関する記述である。

a) 粉じんの多い場所に施設する電気設備は、粉じんによる当該電気設備の絶縁性能又は導電性能が劣化することに伴う( ア )又は火災のおそれがないように施設しなければならない。

b) 次に掲げる場所に施設する電気設備は、通常の使用状態において、当該電気設備が点火源となる爆発又は火災のおそれがないように施設しなければならない。

  1. 可燃性のガス又は( イ )が存在し、点火源の存在により爆発するおそれがある場所
  2. 粉じんが存在し、点火源の存在により爆発するおそれがある場所
  3. 火薬類が存在する場所
  4. セルロイド、マッチ、石油類その他の燃えやすい危険な物質を( ウ )し、又は貯蔵する場所

上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  •   ア      イ      ウ
  1. 短絡  腐食性のガス    保存
  2. 短絡  引火性物質の蒸気  保存
  3. 感電  腐食性のガス    製造
  4. 感電  引火性物質の蒸気  保存
  5. 感電  引火性物質の蒸気  製造

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

問題文のa)に該当するのは「電気設備技術基準」第68条(粉じんにより絶縁性能等が劣化することによる危険のある場所における施設)、b)は第69条(可燃性のガス等により爆発する危険のある場所における施設の禁止)です。

( ア )で、粉じんは電気設備と相性が悪く、以下のような影響が起こり得ます。

  • 粉じんの付着による電気設備の温度上昇
  • 導電性の粉じんの機器への侵入による絶縁性能の低下
  • 粉じんが接点間に入ることによる接触不良による導電性能の低下

これらの悪影響が発生しているときに電気設備に人が近づくと感電のおそれがあり、また、可燃性物質(粉じん自体が爆燃性・可燃性を持つこともあります)に引火すると火災のおそれがあります。

よって、粉じんの多い場所に施設する電気設備には感電防止策・火災防止策が必須なので、( ア )には「感電」が入ります。

( イ )には「腐食性のガス」か「引火性物質の蒸気」が入りますが、ここでは爆発や火災の話をしているため、「引火性物質の蒸気」を選ぶのが適切だと判断することができます。

ちなみに、本問は第68条・第69条からの出題ですが、続く第70条では「腐食性のガス等により絶縁性能等が劣化することによる危険のある場所における施設」について書かれています。

( ウ )の選択肢は「保存」と「製造」の2択ですが、( ウ )の直後には「又は貯蔵する」とあります。ここで「保存」を選ぶと「保存し、又は貯蔵する」となって意味が重複してしまうので、( ウ )には「製造」を入れるほうが適切です。

以上から、( ア )は「感電」、( イ )は「引火性物質の蒸気」、( ウ )は「製造」となるので、正解は(5)となります。

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