電験三種 R3年 電力 問8 問題と解説

 問 題     

変電所の断路器に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. 断路器は消弧装置をもたないため、負荷電流の遮断を行うことはできない。
  2. 断路器は機器の点検や修理の際、回路を切り離すのに使用する。断路器で回路を開く前に、まず遮断器で故障電流や負荷電流を切る必要がある。
  3. 断路器を誤って開くと、接触子間にアークが発生し、焼損や短絡事故を生じることがある。
  4. 断路器の種類によっては、短い線路や母線の地絡電流の遮断が可能な場合がある。
  5. 断路器の誤操作防止のため、一般にインタロック装置が設けられている。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

断路器は、遮断器の端に設置されている装置で、機器の点検や修理の際に回路を切り離すことを目的として、回路の開閉に用いられます。

ある点を周囲の回路から切り離すというのは遮断器も断路器も一緒ですが、用途が違います。遮断器はトラブル時に事故点を周囲の回路から切り離すために使われます。一方、断路器は保守点検を行う際に機器を周囲の回路から確実に切り離すために使われます。

つまり、断路器は遮断器ほど過酷な状況で使うものではないので、わずかな電流しか遮断できないように設計されています。そのため、遮断器が開いていないと(遮断器で故障電流や負荷電流を切っていないと)断路器が操作できないようになっています。

以上から、(4)の「短い線路や母線の地絡電流の遮断が可能な場合がある」というのは誤りで、地絡電流を遮断することはできません。

よって、正解は(4)です。

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