電験三種 R2年 機械 問13 問題と解説

 問 題     

熱の伝導は電気の伝導によく似ている。下記は、電気系の量と熱系の量の対応表である。

上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  •  ア     イ    ウ    エ
  1. 熱流Φ   温度差θ   [J/K]    [K/W]
  2. 温度差θ   熱流Φ   [K/W]  [J/K]
  3. 温度差θ   熱流Φ   [K/J]    [J/K]
  4. 熱流Φ   温度差θ   [J/K]    [J/W]
  5. 温度差θ   熱流Φ   [K/W]  [J/W]

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説    

( ア )は単位が[K](ケルビン)となっていて、これは温度の単位です。よって、( ア )には「温度差θ」が入ります。

これに対応するのは電圧Vとなっていますが、電圧の高いほうから低いほうへと電流が流れるのと同じく、熱も温度の高いほうから低いほうへと流れていくため、電圧と温度差が対になっているのが正しいと判断できます。

( ア )で「温度差θ」を選ぶと、必然的に( イ )は「熱流Φ」となり、対応表では電流と対になっています。電気の流れが電流、熱の流れが熱流なので、これも正しい組合せといえます。

( ウ )は熱抵抗RTの単位が問われています。知識として知っている人なら即決で[K/W]を選べますが、知識がなくても問題で与えられた対応表をヒントにして答えを導くことができます。

熱抵抗RTに対応するのは、お馴染みの電気抵抗R[Ω]です。オームの法則V=RIより、電気抵抗R[Ω]は電圧V[V]を電流I[A]で割った値になるので、このことを対応表を使って熱系に当てはめてみると、熱抵抗RTは温度差θ[K]を熱流Φ[W]で割った値になることがわかります。

よって、単位に注目すると[K]を[W]で割ればよいので、[K/W]となります。つまり、( ウ )に入るのは「[K/W]」です。

( ウ )で「[K/W]」を選ぶと、必然的に( エ )は「[J/K]」となりますが、これも対応する電気系のパラメータから考えることができます。

熱容量Cに対応するのは静電容量C[F]なので、静電容量Cとこの対応表の中にあるパラメータを使った電気系の公式を思い出してください。なるべく有名かつ簡潔な式を選ぶと、静電容量を求める式であるQ=CVがあります。

よって、静電容量C[F]は電気量Q[C]を電圧V[V]で割った値になるので、このことを対応表を使って熱系に当てはめてみると、熱容量Cは熱量Q[J]を温度差θ[K]で割った値になることがわかります。

単位に注目すると[J]を[K]で割ればよいので、[J/K]となります。つまり、( エ )に入るのは「[J/K]」です。

以上から、正解は(2)となります。

コメント