電験三種 R2年 電力 問6 問題と解説

 問 題     

架空送電線路に関連する設備に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. 電線に一様な微風が吹くと、電線の背後に空気の渦が生じて電線が上下に振動するサブスパン振動が発生する。振動エネルギーを吸収するダンパを電線に取り付けることで、この振動による電線の断線防止が図られている。
  2. 超高圧の架空送電線では、スペーサを用いた多導体化により、コロナ放電の抑制が図られている。スペーサはギャロッピングの防止にも効果的である。
  3. 架空送電線を鉄塔などに固定する絶縁体としてがいしが用いられている。アークホーンをがいしと併設することで、雷撃等をきっかけに発生するアーク放電からがいしを保護することができる。
  4. 架空送電線への雷撃を防止するために架空地線が設けられており、遮へい角が小さいほど雷撃防止の効果が大きい。
  5. 鉄塔又は架空地線に直撃雷があると、鉄塔から送電線へ逆フラッシオーバが起こることがある。埋設地線等により鉄塔の接地抵抗を小さくすることで、逆フラッシオーバの抑制が図られている。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説    

(1)の文章は、「サブスパン振動」ではなく「微風振動」の説明文になっています。よって、これが誤りの記述なので、正解は(1)です。

ちなみに、多導体の架空送電線において、風速が数~20m/sで発生し、10m/sを超えると激しくなる振動がサブスパン振動です。

この振動は振動回数が多いのと、比較的振幅が大きいという特徴があるため、電線の磨耗につながります。サブスパン振動を防ぐためには、スペーサの取り付け位置を工夫するのが効果的です。

(2)~(5)の文章はいずれも正しいですが、どれも重要な知識といえます。これらの文章の一部が書き換えられて誤りの選択肢として出題される可能性もあるので、ぜひしっかり押さえておきたい内容です。

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