電験三種 R1年 理論 問5 問題と解説

 問 題     

図のように、七つの抵抗及び電圧E=100Vの直流電源からなる回路がある。この回路において、A-D間、B-C間の各電位差を測定した。このとき、A-D間の電位差の大きさ[V]及びB-C間の電位差の大きさ[V]の組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  • (A-D間の電位差の大きさ):(B-C間の電位差の大きさ)
  1. 28  60
  2. 40  72
  3. 60  28
  4. 68  80
  5. 72  40

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

電位差を求めるために、まずは回路を流れる電流を計算します。

回路図を見ると、上図の青点線で囲んでいる部分は抵抗が直列に並んでいるので、下図のようにまとめることができます。

これをさらに合成してまとめていきます。先に左側の並列に並んでいる2つの抵抗を合成して、その後、その合成抵抗と右側の抵抗が直列に並ぶので、足し算することで合成が完了します。

以上から、問題の回路図は以下の等価回路で示すことができます。

すると、電圧100[V]と抵抗50[Ω]から、オームの法則により電流が2[A]であることがわかります。

ここで、2つ上の回路図に戻って考えると、並列に並んだ2つの抵抗はともに60[Ω]で同じなので、回路図に流れる電流は以下のように書き込むことができます。つまり、並列のところでは1[A]ずつの電流が流れ、合流したところで2[A]となります。

これをさらに最初の回路図に当てはめると、各々の抵抗を流れる電流の値がわかるので、オームの法則によって抵抗の端子間電圧を計算することができます。

最後に、上図を使ってA-D間、B-C間の電位差を計算します。

まず、点Aは100[V]から20[V]下がったところなので、80[V]です。点Bはさらに20[V]下がって60[V]、点Cはさらに20+20=40[V]下がって20[V]、点Dはそこから12[V]下がって8[V]となります。

  • 点A:80 [V]
  • 点B:60 [V]
  • 点C:20 [V]
  • 点D:8 [V]

以上から、A-D間の電位差は80-8=72[V]となり、B-C間の電位差は60-20=40[V]となります。

よって、正解は(5)です。

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