電験三種 R1年 機械 問1 問題と解説

 問 題     

直流電源に接続された永久磁石界磁の直流電動機に一定トルクの負荷がつながっている。電機子抵抗が1.00Ωである。回転速度が1000min-1のとき、電源電圧は120V、電流は20Aであった。

この電源電圧を100Vに変化させたときの回転速度の値[min-1]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

ただし、電機子反作用及びブラシ、整流子における電圧降下は無視できるものとする。

  1. 200
  2. 400
  3. 600
  4. 800
  5. 1000

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

この問題では直流電動機の回転速度が問われています。問題文には電圧も与えられているため、まずは次に示す直流電動機の逆起電力を表す式を確認してください。この式のパラメータには回転速度も使われています。

  • E:電機子の誘導起電力[V]
  • p:磁極数
  • Z:電機子総導体数
  • a:巻線の並列回路数
  • Φ:1極あたりの磁束[Wb]
  • n:電機子の回転速度[min-1]

今回は電源電圧が120[V]から100[V]に変わるという条件ですが、上式におけるp、Z、a、Φの値が変わることがありません。つまり、電機子の誘導起電力Eの変化に応じて回転速度nも変化することになります(比例関係)。

ここで、まずは電源電圧が120[V]であるときの電機子の誘導起電力E[V]を求めます。問題文より、電機子を流れる電流が20[A]、電機子抵抗が1[Ω]なので、オームの法則を使うとEは次のように計算することができます。

同様に、電源電圧が100[V]であるときの電機子の誘導起電力E'[V]は次のようになります。

以上から、電源電圧が100[V]に変化したあとの回転速度n’は次のように計算することができます。

よって、正解は(4)です。

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