問 題
ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせたコンバインドサイクル発電に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 燃焼用空気は、空気圧縮機、燃焼器、ガスタービン、排熱回収ボイラ、蒸気タービンを経て、排ガスとして煙突から排出される。
- ガスタービンを用いない同容量の汽力発電に比べて、起動停止時間が短く、負荷追従性が高い。
- ガスタービンを用いない同容量の汽力発電に比べて、復水器の冷却水量が少ない。
- ガスタービン入口温度が高いほど熱効率が高い。
- 部分負荷に対応するための、単位ユニットの運転台数の増減が可能なため、部分負荷時の熱効率の低下が小さい。
正解 (1)
解 説
コンバインドサイクル発電は、ガスタービン発電と汽力発電を繋げたような原理の発電方法です。具体的には、ガスタービン発電を普通に行い、そこから出る排熱を使って、次に続く汽力発電の蒸気を発生させます。
ここで、ガスタービン発電側では燃焼用空気(ガス)が巡っていて、汽力発電側では水(蒸気)が巡っています。それぞれのサイクルで熱のやり取りはありますが、物質そのものが混じり合うことはありません。
ガスタービン発電側を燃焼用空気(ガス)が巡る順番としては、外から取り込んだ空気を空気圧縮機に送り、燃焼器、ガスタービン、排熱回収ボイラを経て、排ガスとして煙突から排出されます。
続いて、汽力発電側を水(蒸気)が巡る順番を考えます。まず給水がボイラに入り、そこでガスタービン発電側から熱を受け取って水蒸気に変わります。その後、蒸気タービンで仕事をしたのち、復水器で冷やされて水に戻り、そして給水ポンプによって再び給水としてボイラへ進みます。
以上から、(1)の文章は燃焼用空気が進む順番の話なのに「蒸気タービン」が入っているので、これが誤りの文章です。燃焼用空気によって発電するのはガスタービンだけです。
ちなみに「蒸気タービン」の部分を除けば、(1)の文章は適切な記述となります。
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