三相交流回路の電源側と負荷側は、それぞれY結線またはΔ結線のどちらかの形をとります(V結線というのもありますがマイナーなのでここでは割愛します。V結線のページで別途紹介します)。このY結線とΔ結線はお互いに独立しているものではなく、必要に応じてΔ結線からY結線に変換したり、Y結線からΔ結線に変換したりすることができます。
計算問題を解く際に、Y-Δ結線やΔ-Y結線のように電源側と負荷側で異なる結線方式を取っているときは、変換によってY-Y結線やΔ-Δ結線にすると、計算式を簡単化することができるので便利です。
ちなみに、計算問題の際にはΔ-Δ結線よりもY-Y結線にして考えることをオススメします。それは、(詳しくは次項で解説しますが)Y-Y結線だと中性線を使った1相あたりの等価回路が描けるためです。
電源側のΔ-Y変換、Y-Δ変換
電源側がΔ結線をしているとき、これをY結線に変換すると、変換前後の相電圧は次式のようになります。
Δ-Y変換では、このようにΔ結線の相電圧を√3分の1倍するとY結線の相電圧になります。反対にY-Δ変換でもこの式は成り立ち、つまり、Y結線の相電圧を√3倍した値がΔ結線の相電圧となります。
負荷側のΔ-Y変換、Y-Δ変換
負荷側がΔ結線をしているとき、これをY結線に変換すると、変換前後のインピーダンスは次式のようになります。
Δ-Y変換では、このようにΔ結線のインピーダンスを3分の1倍するとY結線のインピーダンスになります。また、相電圧のとき同様、Y-Δ変換のときも上式が使えて、Y結線のインピーダンスの3倍がΔ結線のインピーダンスに相当します。
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