オームの法則、導体の抵抗率と導電率

オームの法則

直流回路の計算問題で最低限覚えておく必要があるのが「オームの法則」です。これは、回路上のある負荷(抵抗R[Ω])を電流I[A]が流れるとき、その負荷前後の電圧差をV[V]とすると、

の関係が成り立つという法則です。

導体の抵抗率と導電率

導体(銅線など)に電流を流すと、その導体は熱くなります。それは、導体自体にも少し抵抗があるためで、その抵抗によって消費された電気が熱に変わることで導体が熱くなります。導体の抵抗値の大きさは、導体の種類や形、線の長さや太さなどによって変わりますが、同じ素材であって、まっすぐに張った状態であれば、その導体の抵抗は以下の式で表すことができます。

  • R:抵抗[Ω]
  • ρ:抵抗率[Ω・m]
  • l:導体の長さ[m]
  • A:導体の断面積[m2]

上式のうち、抵抗率は電気の通しにくさを表す比例定数で、導体の素材によって決まった値をとります。導体の長さが長いほど抵抗が大きくなるのはイメージしやすいと思います(長い送電線ほどロスが大きいということです)。また、導体の断面積が大きいほど抵抗は下がりますが、これは太い電線のほうが細い電線より有利ということを示しています。

上式をしっかり理解しておけば基本的には良いのですが、「抵抗率」ではなく「導電率」が使われることもあります。抵抗率は電気の通しにくさを表す比例定数でしたが、導電率は反対に電気の通しやすさを表す比例定数です。つまり、導電率は抵抗率の逆数であることを押さえておいてください。

  • σ:導電率[S/m]
  • ρ:抵抗率[Ω・m]

ちなみに、[S]という単位は「ジーメンス」と読み、[Ω]の逆数のことです。

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