前項ではオームの法則を紹介しましたが、実際にはこの公式1つで問題が解けることはほとんどありません。オームの法則に加え、抵抗の合成や各種の定理なども覚えておかなくてはいけないので、この項以降では、それらについて1つずつ解説していきます。
まず、本項では抵抗の合成について紹介します。
合成抵抗
回路に抵抗が2つ以上ある場合、そのままでは計算がしづらいので、複数の抵抗を1つにまとめる操作が必要です。まずは以下のように2つの抵抗が直列に並んでいる場合、その抵抗は単純に足し合わせることができます。
一方、2つの抵抗が並列に並んでいる場合、合成抵抗の逆数がそれぞれの抵抗の逆数の和になります。
上式の右辺を通分してから、両辺の分母と分子をひっくり返すと、次のようになります。
直列と並列、それぞれの合成抵抗の式を覚えておけば、あとは組み合わせの問題になります。たとえば、以下の回路の合成抵抗は次の通りです。
まずは20[Ω]と30[Ω]の合成です。これは並列に並んでいるので、分数の式のほうを使います。
続いて、10[Ω]と12[Ω]の合成です。これは直列に並んでいるので、そのまま足します。
よって、3つの抵抗の合成抵抗は22[Ω]ということになります。
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