機械、装置または製造ラインの運転や調整などを制御装置によって行うことを自動制御といいます。自動制御には、大きく分けるとシーケンス制御とフィードバック制御があります。
シーケンス制御
シーケンス制御は、あらかじめ定められた手順や判断によって制御の各段階を順に進めていく制御です。
家電製品にも多く使われていますが、一例を挙げると、洗濯機はシーケンス制御を利用しています。この例だと、「給水→洗い→すすぎ→脱水→乾燥」などの一連の操作を、決められた手順に従って実行するという感じです。
この制御を行うための機器に電磁リレーがあり、電磁リレーを用いた有接点シーケンス制御をリレーシーケンスといいます。リレーシーケンスにおいて、2個の電磁リレーのそれぞれのコイルに相手の接点を接続して、両者が決して同時に働かないようにすることをインタロックといいます。
このインタロックは安全装置として働き、先ほどの洗濯機の例でいえば、洗濯機が高速で廻っている間は、危険なので洗濯機のフタが開かないようになっています。決して、「洗濯機の高速回転」と「フタのロック解除」は同時に働かないようになっていて、これこそがインタロックです。
また、シーケンス制御の動作内容の確認や、制御回路設計の手助けのため、横軸に時間を表し、縦軸にコイルや接点の動作状態を表したものをタイムチャートといいます。
フィードバック制御
フィードバック制御とは、常に制御対象の制御量に着目して、これを時々刻々検出し、目標値との差があればその差をゼロにするような操作を制御対象に加えるような制御系です。
先ほどと同様に家電製品を例に出すと、電気ポットが挙げられます。つまり、電気ポットを95℃に設定しておけば、お湯が95℃になっているときは加温を止め、お湯の温度が90℃とか85℃に下がってきたら、それを検出して目標の95℃になるまで加温します。
この制御系は、外乱によって制御量に変動が生じれば、これを検出して修正動作を行うことが可能となります。電気ポットの例でいえば、途中で冷たい水を加えて一気に温度が下がったとしても、それを検出して昇温工程に入ります。
ただし、一般的に、この対応は多少の時間的な遅れを生じるため、安定性の面で問題を生じることもあります。その点でいえば、上記のシーケンス制御に出てきたインタロックのほうが安全面では優れています。
しかし、こちらは汎用性の面で優れているため、定値制御や追値制御を実現する場合の基本制御として用いられています。
図にすると、以下のように書くことができます(あくまで一例で、必ずこの形というわけではありません)。
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