蛍光ランプ、LED電球

前項では、白熱電球とハロゲン電球について扱いましたが、本項では蛍光ランプについて解説します。

蛍光ランプ

蛍光ランプとは、いわゆる蛍光灯のことです。その原理をひとことで云うと、放電により紫外線を発生させ、それを蛍光体に当て可視光線に変えています。以下ではこのことを、より詳しく説明します。

蛍光ランプ(蛍光灯)の構造は、両端に電極があり、その間は蛍光物質が塗布されたガラス管でできています。電極はコイル状のフィラメントから成り、また、ガラス管内には水銀蒸気とアルゴンガスが封入されています。

その発光原理は、まず電極(陰極側)に電流を流すことから始まります。陰極が電流により加熱されるとフィラメントが高温になり、そこから電子が放出されます。放出された電子は陽極側に移動しようとしますが、その間に充満している水銀蒸気と衝突し、すると水銀蒸気が電子のエネルギーを受け取って励起状態(高エネルギー状態)へと変わります。

励起状態では不安定なので、すぐに基底状態(低エネルギーで安定)に戻ろうとしますが、その過程で紫外線を発します。その紫外線が管内に塗布している蛍光物質にぶつかり、可視光線が発生します。

以上が発光原理の流れで、この一連の事象を「放射ルミネセンス」と呼びます。

蛍光ランプは最近では白熱電球よりも頻繁に使われるようになりましたが、そこには長所も短所もあります。まず長所としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 効率が高い
  • 寿命が長い
  • 表面輝度が低い
  • 熱放射が少ない

一方、白熱電球に対して劣る部分は以下のようなものが挙げられます。

  • 安定器(チョークコイル)が必要
  • 力率が低い(蛍光灯は60%程度、白熱電球は100%)

LED電球

少し前まで主要な照明であった蛍光ランプに対し、近年、急速に普及してきているのがLED照明です。LEDとは、Light Emitting Diodeの頭文字を取った略語で、日本語では発光ダイオードと訳されます。

その原理は、LED(発光ダイオード)に順電圧を印加し(順電流を流し)、LEDのpn接合部において電子とホールの再結合を起こすことで光を発生させるというものです。

LEDの大きな特徴として、その光が基本的に単色光であることが挙げられます(赤色LED、緑色LED、青色LEDなど)。一方、照明用としては白色光が必要ですが、それを作るにはいくつかの方法があります。

最も代表的な方法は、黄色を発光する蛍光体に向かって青色LEDを照射する方法です。すると、擬似白色光が作れます。ほかの方法としては、光の三原色(赤・緑・青)のLEDを組み合わせて白色光を作る方法などもありますが、実際にやってみると綺麗な白にならず、色味の調整が上記の「青色LED+黄色い蛍光体」に比べて難しいようです。

また、LEDの長所としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 効率が高い
  • 寿命がとても長い(4万~6万時間くらい)
  • 消費電力がとても少ない
  • 熱放射が少ない

上記の通り、寿命が長いことと、明るい上に消費電力が少ないことが大きなメリットとなり、現在、LEDの普及率はどんどん上がってきています。

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