JK-フリップフロップ(JK-FF)

前項までで扱ってきた基本論理回路(NOT、AND、ORなどを使った論理回路)は、現在の入力だけで出力が決まりました。

そうではなく、現在の入力と過去の入力系列(=今の出力状態)の両方で出力が決まる論理回路を順序回路といい、その中でも特に重要なものにJK-フリップフロップ(JK-FF)があるので、この項ではJK‐フリップフロップについて解説します。

まずはJK-フリップフロップ(JK-FF)の図を見てください。

上図のうち、JとKにそれぞれ0または1を入力すると、Qが出力されるというものです。そして、上記の通りJK-フリップフロップではJとKのほかに、過去の入力系列(=今のQの状態)も含めることで、次のQの状態が決まります。

ちなみに、Qの上に-(バー)が付いているは、Qの反対という意味です。つまり、Q=0なら=1で、Q=1なら=0となります。

また、JK-フリップフロップでは過去の入力系列が次の状態を決めるといっても、それがどのタイミングで決まるんだ…という話になりますが、それを決定するためにクロックパルスというものが用意されています。

図にあるCがクロックパルスと呼ばれるもので、一定のリズムでパルスが立ち上がったり立ち下がったりします(一定時間ごとに、カチッカチッ、とON・OFFを繰り返しているイメージです)。

たとえばクロックパルスの立ち下がり(OFFになる瞬間)が状態変化のタイミングと決まっている場合、このクロックパルスが立ち下がった瞬間のJとKと現状のQの値によって、次のQの状態(出力)が決まるというものです。

というわけで、JK-フリップフロップではJとKと現在のQという3つがそれぞれ0か1を取るので、全部で8パターンの状態があります。そのそれぞれの状態のとき、次状態の出力Qがどうなるか、以下の表にまとめます。これはそういうルールですので、ぜひ出力のパターンについては覚えておいてください。

もしくは、次のように書いても同じことです。どちらか覚えやすいほうで覚えてください。

また、上表にはについて記載していませんが、は必ずQの反対になるので省略しています。

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