問 題
固有の名称をもつSI組立単位の記号と、これと同じ内容を表す他の表し方の組合せとして、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 選択肢の左側:SI組立単位の記号
- 選択肢の右側:SI基本単位及びSI組立単位による他の表し方
- F C/V
- W J/s
- S A/V
- T Wb/m2
- Wb V/s
正解 (5)
解 説
(1)は、電荷Q[C]、静電容量C[F]、電圧V[V]の関係式を考えるとわかりやすいです。
よって、これは正しいです。
(2)は、電気エネルギーW[J]は電力P[W]と時間t[s]の積で表すことができます。
よって、これも正しいです。
(3)の[S]はコンダクタンスGの単位で、ジーメンスと読みます。コンダクタンスGとは、抵抗R[Ω]の逆数のことです。つまり、[S]=[Ω-1]となります。すると、オームの法則から以下の等式が成り立ちます。
よって、これも正しいです。
(4)の[T]は磁束密度Bの単位で、テスラと読みます。磁束密度は名前からも連想しやすいですが、面積あたりの磁束のことです。磁束の単位が[Wb]、面積の単位は[m2]なので、(4)も正しい組み合わせです。
(5)の[Wb]は磁束の単位で、ウェーバーと読みます。(4)でも出てきている通り、普段は磁束の単位[Wb]を何かに変換することなく、そのまま使うことが多いです。
とはいえ、(5)の右側には[V/s]とあるので、[Wb]、[V]、[s]をヒントに考えると、これはファラデーの法則に基づく誘導起電力の式からきていると推測できます。
- E:誘導起電力[V]
- N:巻数
- ΔΦ:磁束の増加分[Wb]
- Δt:時間[s]
よって、[Wb]は[V]を[s]で割ったものではなく、[V]と[s]の積であるので、(5)が誤りの選択肢です。
以上から、正解は(5)となります。
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