電験三種 H30年 理論 問14 問題と解説

 問 題     

固有の名称をもつSI組立単位の記号と、これと同じ内容を表す他の表し方の組合せとして、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  • 選択肢の左側:SI組立単位の記号
  • 選択肢の右側:SI基本単位及びSI組立単位による他の表し方
  1. F   C/V
  2. W    J/s
  3. S   A/V
  4. T   Wb/m2
  5. Wb  V/s

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

(1)は、電荷Q[C]、静電容量C[F]、電圧V[V]の関係式を考えるとわかりやすいです。

よって、これは正しいです。

(2)は、電気エネルギーW[J]は電力P[W]と時間t[s]の積で表すことができます。

よって、これも正しいです。

(3)の[S]はコンダクタンスGの単位で、ジーメンスと読みます。コンダクタンスGとは、抵抗R[Ω]の逆数のことです。つまり、[S]=[Ω-1]となります。すると、オームの法則から以下の等式が成り立ちます。

よって、これも正しいです。

(4)の[T]は磁束密度Bの単位で、テスラと読みます。磁束密度は名前からも連想しやすいですが、面積あたりの磁束のことです。磁束の単位が[Wb]、面積の単位は[m2]なので、(4)も正しい組み合わせです。

(5)の[Wb]は磁束の単位で、ウェーバーと読みます。(4)でも出てきている通り、普段は磁束の単位[Wb]を何かに変換することなく、そのまま使うことが多いです。

とはいえ、(5)の右側には[V/s]とあるので、[Wb]、[V]、[s]をヒントに考えると、これはファラデーの法則に基づく誘導起電力の式からきていると推測できます。

  • E:誘導起電力[V]
  • N:巻数
  • ΔΦ:磁束の増加分[Wb]
  • Δt:時間[s]

よって、[Wb]は[V]を[s]で割ったものではなく、[V]と[s]の積であるので、(5)が誤りの選択肢です。

以上から、正解は(5)となります。

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