電験三種 H30年 理論 問3 問題と解説

 問 題     

長さ2mの直線状の棒磁石があり、その両端の磁極は点磁荷とみなすことができ、その強さは、N極が1×10-4Wb、S極が-1×10-4Wbである。図のように、この棒磁石を点BC間に置いた。このとき、点Aの磁界の大きさの値[A/m]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

ただし、点A、B、Cは、一辺を2mとする正三角形の各頂点に位置し、真空中にあるものとする。真空の透磁率はμ0=4π×10-7H/mとする。また、N極、S極の各点磁荷以外の部分から点Aへの影響はないものとする。

  1. 0
  2. 0.79
  3. 1.05
  4. 1.58
  5. 3.16

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

磁界の強さは以下の式で表すことができます。

  • H:磁界 [A/m]
  • μ0:真空の透磁率 4π×10-7 [H/m]
  • m:磁荷(磁極の強さ) [Wb]
  • r:磁極間の距離 [m]

よって、点Aが点Bと点Cから受ける磁界の強さ(それぞれ、HBとHCとする)は以下のように計算できます。

要するに、HBとHCとは向きが反対で大きさの同じ磁界ということになります。点BがN極なので、矢印で示すと点B → 点A方向の向きとなります。一方、点CはS極なので、矢印で示すと点A → 点C方向の向きとなります。

HBとHCの合力HAは、上図赤線の向きとなり、その大きさはHBやHCと同じになります。以上から、点Aの磁界の大きさは次のように計算できます。

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