電験三種 H30年 法規 問3 問題と解説

 問 題     

次の文章は、「電気設備技術基準」における(地中電線等による他の電線及び工作物への危険の防止)及び(地中電線路の保護)に関する記述である。

  1. 地中電線、屋側電線及びトンネル内電線その他の工作物に固定して施設する電線は、他の電線、弱電流電線等又は管(以下、「他の電線等」という。)と( ア )し、又は交さする場合には、故障時の( イ )により他の電線等を損傷するおそれがないように施設しなければならない。ただし、感電又は火災のおそれがない場合であって、( ウ )場合は、この限りでない。
  2. 地中電線路は、車両その他の重量物による圧力に耐え、かつ、当該地中電線路を埋設している旨の表示等により掘削工事からの影響を受けないように施設しなければならない。
  3. 地中電線路のうちその内部で作業が可能なものには、( エ )を講じなければならない。

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

   (ア)  (イ)          (ウ)             (エ)

  1. 接触 短絡電流  取扱者以外の者が容易に触れることがない 防火措置
  2. 接近 アーク放電 他の電線等の管理者の承諾を得た     防火措置
  3. 接近 アーク放電 他の電線等の管理者の承諾を得た     感電防止措置
  4. 接触 短絡電流  他の電線等の管理者の承諾を得た     防火措置
  5. 接近 短絡電流  取扱者以外の者が容易に触れることがない 感電防止措置

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説    

問題文はのaは「電気設備技術基準」の第30条、bとcは第47条の条文です。

( ア )について、選択肢には「接触」と「接近」がありますが、電線を接触させてはいけません。よって、( ア )に「接触」を入れることはできないので、ここには「接近」が入ります。

また、( ア )の直後には「交さ」とありますが、接近と交さはよくセットで用いられる言葉です。

接近というのは電線同士が横並びに並んでいるときに使う言葉で、交さというのは2本以上の電線を真上から見たときにクロスしているときに使う言葉です。真上からではクロスして見えたとしても、横から見ると電線の高さは違っています(もし同一の高さだと接触してしまいます)。

電線同士の接近や交さは禁止されているわけではありませんが、一方に事故が発生したときに他方へ被害が拡大しないように、離隔距離が決まっていたり、事故防止対策が求められたりしています。

( イ )に関して、地中電線や屋側電線などの故障の際に問題になるのは「アーク放電」です。

これは、絶縁不良に起因する絶縁破壊によって大電流が流れ出し、空間中に数千℃以上の高温の光と熱(アーク)が生じる現象です。よって、アーク放電は感電や火災につながるので、それを考慮した電線の施設を行わなければなりません。

( ウ )について、感電や火災のおそれがないことが前提とはいえ、アーク放電に対する処置を施していない電線を勝手に他人の電線のすぐ近くに施設してはいけません。ただし、もともと施設してあった電線の管理者が承諾すれば、それは両者合意のもとでそうしているので、問題ありません。

よって、( ウ )には「他の電線等の管理者の承諾を得た」が入ります。

( エ )は選択肢に「防火措置」と「感電防止措置」があります。一見するとどちらも重要そうですが、地中電線路の内部に入る人はそもそも作業員くらいなので、感電防止については設備側ではなく、その作業員自身が行えば済むことです。

一方、火災に関しては人のいない場所で起こる可能性もあります。作業員がこっちで作業していたら、少し離れたあっち側から火が出た…という事態になっても作業員には防ぎようがないので、このようなことがないように、施設側で防火措置を施すことが求められます。

よって、( エ )には「防火措置」が入ります。

以上から、正解は(2)です。

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