電験三種 H29年 理論 問6 問題と解説

 問 題     

R1=20Ω、R2=30Ωの抵抗、インダクタンスL1=20mH、L2=40mHのコイル及び静電容量C1=400μF、C2=600μFのコンデンサからなる図のような直並列回路がある。

直流電圧E=100Vを加えたとき、定常状態においてL1、L2、C1及びC2に蓄えられるエネルギーの総和の値[J]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. 0.12
  2. 1.20
  3. 1.32
  4. 1.40
  5. 1.52

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

コイルとコンデンサに蓄えられるエネルギーが問われているので、まずはそれぞれのエネルギーを表す式を確認しておいてください。

  • WL:コイルに蓄えられるエネルギー[J]
  • L:コイルのインダクタンス[H]
  • I:電流[A]

  • WC:コンデンサに蓄えられるエネルギー[J]
  • C:コンデンサの静電容量[F]
  • V:電圧[V]

上記に加え、もうひとつ重要事項があります。直流回路においては(!注意!電源が直流電源のときだけ!)、定常状態だとコイルの両端の電位差は0になります。つまり、コイルの部分は「短絡」したただの導線とみなすことができます。

一方、同条件のコンデンサには電流が流れません。つまり、コンデンサの部分は「開放」している状態であるといえます。

コイルは短絡し、コンデンサは開放していると考えると、問題の回路図は以下のように描き換えることができます。

上図においてオームの法則を適用すると、この回路を流れる電流Iを求めることができます。

また、それぞれの抵抗の両端の電位差V1、V2も計算することができます。

以上で求めた数値を問題の図に書き加えると、以下のようになります。

よって、L1、L2、C1、C2に蓄えられるエネルギーの総和Wは、次のように計算することができます。

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