電験三種 H29年 法規 問6 問題と解説

 問 題     

次の文章は「電気設備技術基準の解釈」における用語の定義に関する記述の一部である。

  1. 「( ア )」とは、電気を使用するための電気設備を施設した、1の建物又は1の単位をなす場所をいう。
  2. 「( イ )」とは、( ア )を含む1の構内又はこれに準ずる区域であって、発電所、変電所及び開閉所以外のものをいう。
  3. 「引込線」とは、架空引込線及び( イ )の( ウ )の側面等に施設する電線であって、当該( イ )の引込口に至るものをいう。
  4. 「( エ )」とは、人により加工された全ての物体をいう。
  5. 「( ウ )」とは、( エ )のうち、土地に定着するものであって、屋根及び柱又は壁を有するものをいう。

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    (ア)       (イ)    (ウ)   (エ)

  1. 需要場所    電気使用場所  工作物  建造物
  2. 電気使用場所  需要場所    工作物  造営物
  3. 需要場所    電気使用場所  建造物  工作物
  4. 需要場所    電気使用場所  造営物  建造物
  5. 電気使用場所  需要場所    造営物  工作物

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

( ア )と( イ )は一方が「需要場所」で、他方が「電気使用場所」です。aの説明文には「電気を使用する~場所」とあるので、これがそのまま「電気使用場所」の説明になります。

また、電気やガスの供給を受ける者のことを需要家といいますが(需要と供給は対義語)、これと関連して、ひとつの需要家が担っている範囲(=1の構内)のことを「需要場所」といいます。よって、( ア )が「電気使用場所」、( イ )が「需要場所」となります。

( ウ )、( エ )には「工作物」、「建造物」、「造営物」のいずれかが入ります。どれも似たような言葉ですが、その用語を使える範囲がそれぞれ異なります。

まず、この中で最も広い意味なのが「工作物」で、これは人「工」的に「作」られた「物」に対して用いることのできる言葉です。つまり、問題文のdに該当するため、( エ )には「工作物」が入ります。

工作物のうち、土地に定着するもので、屋根、柱、壁(柱と壁はいずれかでもOK)を持つものが「造営物」です。よって、問題文のeに該当するため、( ウ )には「造営物」が入ります。

造営物のうち、人が居住したり、勤務したり、または頻繁に出入りしたりするような建物のことを「建造物」といいます。

よって、( ウ )が「造営物」、( エ )が「工作物」となります。

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