電験三種 H28年 電力 問7 問題と解説

 問 題     

遮断器に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. 遮断器は、送電線路の運転・停止、故障電流の遮断などに用いられる。
  2. 遮断器では一般的に、電流遮断時にアークが発生する。ガス遮断器では圧縮ガスを吹き付けることで、アークを早く消弧することができる。
  3. ガス遮断器で用いられる六ふっ化硫黄(SF6)ガスは温室効果ガスであるため、使用量の削減や回収が求められている。
  4. 電圧が高い系統では、真空遮断器に比べてガス遮断器が広く使われている。
  5. 直流電流には電流零点がないため、交流電流に比べ電流の遮断が容易である。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

(5)に関して、直流送電では電流の遮断が難しいです。

交流の場合は周期的に電流がプラスになったりマイナスになったり常に変化しているため、ちょうど0になるところを狙って遮断することで、あまり負荷を掛けずに遮断することが可能です。

しかし、直流の場合は常に一定の電流が流れ続けているので、その状態で遮断するのは負荷が大きすぎて難しくなります。よって、(5)が誤りの記述で、正解の選択肢となります。

この問題では、(1)~(4)の内容も重要事項なので、ぜひ押さえておいてください。

(3)に関して、SF6は無色無臭の気体で、無毒、不活性、不燃性で絶縁性に優れ、かつ安価という、遮断器に使うには非常に都合の良い物質です。よって、これがガス遮断器としては最も普及しているのですが、記述の通り温室効果ガスであるところが難点です。

(4)に関して、真空遮断器は低めの電圧範囲で使われ、ガス遮断器は高めの電圧範囲で使われるということは覚えておきたい事項です。

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