電験三種 H27年 機械 問12 問題と解説

 問 題     

毎分5m3の水を実揚程10mのところにある貯水槽に揚水する場合、ポンプを駆動するのに十分と計算される電動機出力Pの値[kW]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

ただし、ポンプの効率は80%、ポンプの設計、工作上の誤差を見込んで余裕をもたせる余裕係数は1.1とし、さらに全揚程は実揚程の1.05倍とする。また、重力加速度は9.8m/s2とする。

  1. 1.15
  2. 1.20
  3. 9.43
  4. 9.74
  5. 11.8

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

貯水槽の水をポンプで揚水するというのは、電動機の出力Pを位置エネルギーに変えるということです。その式は以下のように表されます。

  • Po:理論出力[kW]
  • Q:流量[m3/s]
  • g:重力加速度[m/s2]
  • H:全揚程[m]

上式に問題文で与えられた数値を代入していきます。ただし、Qは単位を「毎分」から「毎秒」に直す必要があるのと、Hは実揚程ではなく全揚程である点に注意してください。

これが揚水に必要な理論的な出力です。しかし、実際には諸々の損失などにより、これでは確実に揚水できないかもしれないので、もっと出力を高くして余裕を持っておく必要があります。つまりは、問題文にある「ポンプの効率」と「余裕係数」を加味しなくてはいけません。

理論的な出力Poに対して、ポンプの効率を補う分と、全体を通して余裕を持たせる分を計算に加えればよいので、求める電動機出力Pは、次のような計算によって算出することができます。

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