電験三種 H27年 法規 問2 問題と解説

 問 題     

次の文章は、「電気用品安全法」に基づく電気用品の電線に関する記述である。

  1. ( ア )電気用品は、構造又は使用方法その他の使用状況からみて特に危険又は障害が発生するおそれが多い電気用品であって、具体的な電線については電気用品安全法施行令で定めるものをいう。
  2. 定格電圧が( イ )V以上600V以下のコードは、導体の公称断面積及び線心の本数に関わらず、( ア )電気用品である。
  3. 電気用品の電線の製造又は( ウ )の事業を行う者は、その電線を製造し又は( ウ )する場合においては、その電線が経済産業省令で定める技術上の基準に適合するようにしなければならない。
  4. 電気工事士は、電気工作物の設置又は変更の工事に( ア )電気用品の電線を使用する場合、経済産業省令で定める方式による記号がその電線に表示されたものでなければ使用してはならない。( エ )はその記号の一つである。

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

   (ア)  (イ)  (ウ)   (エ)

  1. 特定  30   販売  JIS
  2. 特定  30   販売  <PS>E
  3. 甲種  60   輸入  <PS>E
  4. 特定  100  輸入  <PS>E
  5. 甲種  100  販売  JIS

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

aの説明文にあるような、電気用品の中でも特に危険又は障害の発生するおそれが多いものを「特定電気用品」といいます。よって、( ア )には「特定」が入ります。

甲種電気用品については特に覚える必要がないと思いますが、これは電気用品安全法(2001年施行)の前身である電気用品取締法(2001年廃止)のときに使われていた言葉です。意味合いとしては現行の特定電気用品と同様ですが、今の法律(電気用品安全法)では「特定電気用品」という言葉を使っているので、「甲種電気用品」という文言は出てきません。

bについて、100V以上600V以下の電線には電気用品安全法が適用され、電線の中でもコードは特定電気用品として扱われます。よって、( イ )には「100」が入りますが、この数値を正確に覚えていなくても、より重要な( ア )、( ウ )、( エ )がわかれば選択肢をしぼることができるので、それでもよいと思います。

cに関して、ここでは、電気用品を基準に適合させるのは誰なのかを考えるとわかりやすいです。

まず、問題文にすでに記載されていますが、製造者にその責任があるというのは自然な考え方です。次に、選択肢によると販売者と輸入者のいずれかにもその責任がありますが、販売者についてはすでに完成された製品を消費者に渡すだけなので、技術的な介入の余地がありません。

販売者は、dの文章に出てくるPSEマークの有無などから、それが適合品であるか否かを確認する責任はありますが、技術上の基準に適合させるという責任は有していません。

一方、輸入者も輸入するだけなら技術的な介入をしないと考えられますが、海外では日本の法律が適用されないので、輸入製品にはPSEマークなどが付いていません。よって、輸入者の責任において技術上の基準を満足しているかどうか調べなくてはいけないので、輸入者は製造者と同様の扱いとなります。

以上から、( ウ )には「輸入」が入ります。

dで、電気用品安全法といえばPSEマークです。PSEの文字が○で囲ってある場合には、基準を満たした電気用品(特定電気用品以外)であることを示し、PSEの文字が◇で囲ってある場合には、基準を満たした特定電気用品であることを示します。

よって、( エ )はPSEの文字を◇で囲ったものになりますが、これを絵ではなく文字列で表す際には「<PS>E」としてよいことになっています。ちなみに、特定電気用品以外の電気用品を文字列で表す場合は、「(PS)E」と書きます。

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