電験三種 H26年 理論 問15 問題と解説

 問 題     

図のように、正弦波交流電圧E[V]の電源が誘導性リアクタンスX[Ω]のコイルと抵抗R[Ω]との並列回路に電力を供給している。この回路において、電流計の指示値は12.5A、電圧計の指示値は300V、電力計の指示値は2250Wであった。

ただし、電圧計、電流計及び電力計の損失はいずれも無視できるものとする。次の(a)及び(b)の問に答えよ。

(a) この回路における無効電力Q[var]として、最も近いQの値を次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. 1800
  2. 2250
  3. 2750
  4. 3000
  5. 3750

(b) 誘導性リアクタンスX[Ω]として、最も近いXの値を次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. 16
  2. 24
  3. 30
  4. 40
  5. 48

 

 

 

 

 

正解 (a)-(4), (b)-(3)

 解 説    

(a)

無効電力を求める問題なので、有効電力と皮相電力がわかれば、三平方の定理より計算できます。有効電力Pは、電力計の指示値から2250[W]とわかっています。皮相電力Sは、電圧計と電流計の指示値から、S=300×12.5=3750[W]となります。

よって、無効電力Qは、

と計算することができます。

(b)

皮相電力のうち、有効電力は抵抗で消費され、無効電力はコイルとコンデンサで消費されます。この問題ではコンデンサがないので、コイルについてだけ考えます。

コイルを流れる電流をIL[A]とすると、コイルの両端の電圧E[V]と誘導性リアクタンスX[Ω]を用いると、

と表すことができます。

また、EとILとの積が無効電力Qとなるので、誘導性リアクタンスXは次のように計算することができます。

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