電験三種 H26年 理論 問14 問題と解説

 問 題     

図のように200Vの対称三相交流電源に抵抗R[Ω]からなる平衡三相負荷を接続したところ、線電流は1.73Aであった。いま、電力計の電流コイルをc相に接続し、電圧コイルをc-a相間に接続したとき、電力計の指示P[W]として、最も近いPの値を次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

ただし、対称三相交流電源の相回転はa、b、cの順とし、電力計の電力損失は無視できるものとする。

  1. 200
  2. 300
  3. 346
  4. 400
  5. 600

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説    

c相を流れる電流をIc[A]、c-a相間の線間電圧をEca[V]、IcとEcaとの位相差をθ[rad]とすると、その電力P[W]は

となります。

すでにEcaとIcは問題文に載っているので、問題はこれらの位相差がどれくらいかということです。

ここで、三相交流電源をY結線であるとして各相の相電圧をEa、Eb、Ecと表すと、Ea、Eb、Ecは2/3π[rad](120°)の間隔で下図のように描くことができます(この段階では下図の赤矢印は気にしないでください)。

ちなみに、三相交流電源の結線方式は問題文で指定されていないので、もちろんΔ結線で考えても構いません。ただし、Y結線なら線電流とY結線の相電圧との位相が一致し、上図のようにEcとIcなどの位相差を考えなくてよくなるので、Y結線で考えるのをオススメします。

続いて線間電圧について考えます。c-a相間の線間電圧EcaはEcとEaとの差で表すことができるので、つまりはEcと-Eaとの合力となります。これが上図の赤矢印で表す部分です。

上図において、EaとEcのなす角は2/3π[rad](120°)なので、Ecと-Eaのなす角は1/3π[rad](60°)となり、EcとEcaとの角はその半分なので、1/6π[rad](30°)であることがわかります。IcはEcと同相なので、Eca(図の赤)とIc(図の青)のなす角は、1/6π[rad](30°)となります。

よって、最初に示した式に代入すると、

と計算することができます。

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