電験三種 H26年 理論 問2 問題と解説

 問 題     

次の文章は、静電気に関する記述である。

図のように真空中において、負に帯電した帯電体Aを、帯電していない絶縁された導体Bに近づけると、導体Bの帯電体Aに近い側の表面c付近に( ア )の電荷が現れ、それと反対側の表面d付近に( イ )の電荷が現れる。

この現象を( ウ )という。

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)及び(ウ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  (ア) (イ)  (ウ)

  1. 正  負  静電遮へい
  2. 負  正  静電誘導
  3. 負  正  分極
  4. 負  正  静電遮へい
  5. 正  負  静電誘導

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

2つの電荷は、同じ性質(正と正or負と負)だと反発しあい、異なる性質(正と負)だと近づきます。よって、負に帯電した帯電体Aを帯電していない(正も負も持っている)導体Bに近づけると、導体Bに含まれる正電荷は帯電体Aに近づき、負電荷は帯電体Aから離れようとします。

以上から、( ア )に「正」が入り、( イ )には「負」が入ります。この現象は「静電誘導」と呼ばれているので、( ウ )にはこれが入ります。

選択肢(1)と(4)にある「静電遮へい」は、内部に空間を持つ導体(中空導体)では、その内部には電荷が存在せず、空間中のどの部分でも電位が表面の導体と同じになるという現象(性質)です。

選択肢(3)にある「分極」は、誘電体に電場をかける(または電場の中に誘電体を置く)と、電場の方向に正電荷が、反対側に負電荷が偏ることをいいます。

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